【雇用情勢】産業別入職者、平均年齢、平均収入

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現在の社会では、人口構造の変化が各産業に深い影響を与えています。特に日本では、生産年齢人口の減少により、多くの業界が人材不足の問題に直面しています。このような状況下で、企業は人材確保の難題に対処するため、他業界や自社が属する雇用情勢を理解し、適切な戦略を練る必要があります。その際、「雇用動向調査」や「賃金構造統計調査」などの統計データを活用することが不可欠です。これによって、雇用情勢を客観的に把握し、効果的な人材戦略を構築することが可能となり、企業の競争力を維持する上で重要な要素となります。

以上の社会的背景を踏まえ、本記事では「雇用動向調査」や「賃金構造統計調査」などの調査結果を活用し、読者の皆様が自身の業界における雇用情勢や賃金構造を正確に把握し、戦略を立案する際の有益な情報源となることを目指します。

1.産業別入職者数

まずは、産業別にどの程度人材が流入しているかを把握していきます。
「入職者」とは、労働者のうち、事業所が新たに採用した者を指します。この定義には、他企業からの出向者や出向復帰者も含まれます。一方、「入職者」の中には、同一企業内の他事業所からの転入者は含まれていません。

・入職者数全体は、2015年で「242.3千人」でしたが、2020年では「186.2千人」と23.2%減少していることがわかります。
・入職者が減少していることから、具体的にどの業界の減少率が、全体に影響を与えているかを確認するため、産業別入職者数の減少寄与率をみると、「卸売業,小売業」「宿泊業,飲食サービス業」がそれぞれ寄与率43.3%となっており、この2つの産業の入職者数減少が、入職者数全体の減少に大きな影響を与えたことがわかります。

  2015年 242.3千人
  2020年 186.2千人
寄与度】:特定の内訳の増減が全体をどの程度の割合で変化させたかを表す。なお、寄与度の合計は、全体の伸び率と一致する。
【寄与率】:寄与度を構成比の視点からみた指標。
※出典:厚生労働省「雇用動向調査」より筆者編集

2.産業別平均年齢と平均収入

昨今の雇用情勢において、日本政府による賃上げ要請や物価高に関する関心が高まっています。経済の動向や生活コストの上昇により、労働者は賃金の改善を求める声が広がっています。
ここでは、労働者の平均年齢と平均年収を産業別に分析していきます。

・産業別平均年齢をみると「運輸業,郵便業」が46.2歳で最も高くなています。
・産業別平均年収をみると「学術研究,専門・技術サービス業」が6,332.3千円で最も高くなっています。

※出典:厚生労働省「令和2年度賃金構造基本統計調査」より筆者編集

※参考資料※
・厚生労働省「雇用動向調査」
・厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調

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